6時間かけてみっちり編まれる Stanford Bunny
skCADで生成したknitting patternによるsolid knittingの造形例。出典: Y. Hirose, M. Larsson, T. Igarashi, “skCAD: A Design Tool for Solid Knitting with Automatic Pattern Generation”, Figures 1・17, CHI 2026.
今回のStanford bunny
Stanford bunnyは、ブロックで設計した形から編みパターンを生成し、中身の詰まった立体を手編みする例に使われています。公開3Dモデルを参考に直方体のブロックを積み、うさぎの形を作っています。
直径3 mmの糸を使い、画面に表示されるループを確認しながら編み上げます。論文で示された手編みには約6時間かかっています。
今回は約6時間かけて、みっちり糸で編まれます。
今回の扱い:ブロックで形を設計され、生成されたパターンを見ながら手編みされる
状態:その他(糸による物理造形)
論文の内容
ブロックから編みパターンへ
solid knittingは、編地を重ねるように内部まで糸で満たした立体を作る技法です。立体に沿って目や段を増減させながら、糸の経路をつなぐ必要があります。
skCADでは、利用者が直方体のブロックを積んで形を設計します。その配置を、糸のループからなる編みパターンへ自動変換します。
Solid knittingの文法
論文では、目の増減や各層の段数の変化を扱う文法を整理しています。ブロックの配置に応じて操作を割り当て、3次元方向に変化する形を編めるようにします。
手編みを支える表示
パターンは糸の経路が分かる立体表示で確認できます。作業中のループを強調し、前後のループへ移動したり、一部の層を隠したりできます。
この表示を手掛かりに利用者が手編みを進めます。パターンを直接編集する機能も備えています。
ワークショップでの評価
編み物経験者5人を対象に、設計と手編みを試すワークショップを行っています。ブロックによる設計は使いやすいと評価された一方、編む際には、よく現れるループをもっと抽象化した表示への要望もありました。
制約と今後の課題
造形例では生成パターンに不具合が見つかりましたが、完成を妨げるほどではありませんでした。立体的な糸の表示だけでは手順を読み取りにくい場合もあり、作業を案内する表現には改善の余地があります。
論文情報
skCAD: A Design Tool for Solid Knitting with Automatic Pattern Generation
Yuichi Hirose, Maria Larsson, Takeo Igarashi
- Venue: CHI 2026
- DOI: https://doi.org/10.1145/3772318.3791148
- 分野: HCI / Computational Fabrication / Knitting
- 使用モデル: Stanford bunny
- 使用箇所: Figures 1・17
- yarn: 3 mm
- fabrication time: 手編みで約6時間
- 用途: ブロックベースの編みパターン生成と手編み支援